実務翻訳での副業を決意したとしても、どのくらいの期間で、どのくらい稼げるようになるのか、気になると思います。
機械メーカー勤務から、副業を経て、フリーランスで実務翻訳を行っているTomが、自身の経験から次のトピックについて詳しく解説していきます。
トピック一覧
・実務翻訳者の月収は?
・実務翻訳者の報酬形態
・収入アップの方法
それでは見ていきましょう!
実務翻訳者の月収は?
まずは実務翻訳者の平均月収について解説していきます。副業・フリーランス別に違いを見ていきましょう。
副業|月収1万円~15万円程度
副業の実務翻訳者の平均月収は1万円〜15万円程度です。
スキルや専門分野によっては平均を大きく上回ることも可能ですが、やはり稼働時間に制約があり大型案件や継続案件を受注することが難しいため、頭打ちになってしまいます。
フリーランス|月収20万円~50万円程度
フリーランスの実務翻訳者の平均月収は20万円〜50万円程度です。
副業とは異なりある程度の稼働時間を確保でき、その分対応できる案件が増えるため月収も増加します。
スキルや専門分野によっては、100万以上の月収を手にしている方もいます。
実務翻訳者の報酬形態
月収を踏まえ、実際にどのような報酬形態で計算されているのかを解説していきます。
ワード単価|原文1ワードあたり
最もポピュラーな方法はワード単価方式で、「原文のワード数 x 単価」で報酬が決まります。
単価は翻訳会社や専門分野によって異なりますが、一般に7円〜15円程度です。
したがって、原文が3,000ワード、単価が10円だった場合、報酬は30,000円になります。
時給換算|1時間あたり
案件によっては時給換算で依頼される場合もあります。
翻訳自体ではなく、翻訳された文章の校閲などで多く用いられています。
平均的な時給は3,000円前後です。
収入アップの方法
報酬形態を見れば、「作業ボリュームまたは単価が上がれば収入を増やすことができる」ということがお分かりいただけると思います。
ここでは、その収入アップに直結する具体的な方法を解説していきます。
専門分野を絞る
一重に翻訳と言っても、ただテキストを入力するだけではありません。
その文章は誰が誰のために何の目的で書いたものなのかを理解し、その分野で一般的に使用されている用語を用いて現実的な内容にする必要があります。
ですので、リサーチ作業が重要になります。
専門分野を絞れば、専門知識が幅広く身につくため、リサーチの時間を短縮でき、作業ボリュームを増やすことができます。
独自の辞書を作る
実務翻訳の場合、分野や文書の種類に応じて同じような言い回しを使用することがよくあります。
そのような頻出の文章を翻訳支援ツールに登録し、独自の辞書を作成することができます。
検索や入力作業を簡素化でき、作業ボリュームを増やすことができます。
単価の高い翻訳会社と契約する
単価は、経験やスキルなど人によって異なるのはもちろんですが、翻訳会社によっても大きく異なります。
大雑把にですが、アメリカやヨーロッパ、日本などの翻訳会社は単価が高く、中国を代表とするその他のアジア諸国の翻訳会社では少し低めの単価が設定される傾向にあります。
クラウドソーシングは未経験でも案件を受けやすいというメリットはありますが、単価が4円程度という非常に低い値に設定されていることがよくありますので、あまりお勧めしません。
単価の高い専門分野を狙う
単価は分野によっても大きく異なります。
専門性が高いほど単価は高くなり、医学・医療・薬学、特許明細書分野の単価は高い傾向にあります。
分野選びに迷っている方はこのような単価の高い分野を専門にすることで収入を増やすことも検討してみてください。
3年以上継続する
翻訳会社のトライアル申込要件に「3年以上の経験を有する」という条件が提示されていることがあります。
3年以上継続することで、契約する翻訳会社の選択肢を広げることができます。
また、長期契約で実績を積み重ねることで、単価の交渉をすることも可能になります。
まとめ
この記事では実務翻訳者の月収やそれをアップする方法について解説しました。
始めた当初や副業で行っている方の中には、期待通りの収入を得られず挫折してしまう方もいるかもしれません。しかし、継続しながらステップアップしていくことで、いくらでも上を目指すことができるのも事実です。
この記事を見返しながら、焦らずステップアップしていきましょう。
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